英ポンド/円相場は、1ポンド=158円水準まで値位置を切り上げている。引き続き英景気回復を示唆する経済指標の発表が続く中、ポンドは上値を切り上げる展開になっている。イングランド銀行(BOE)金融政策委員会(MPC)が、8月に導入したフォワード・ガイダンスについて特に新たな見解などを示さなかったこともポンドにはポジティブ。
9月11日に発表された5~7月失業率は、前月の7.8%から7.7%まで低下した。マーケットでは前月からの横ばいが想定されていたが、雇用者数が+8.0万人(市場予測は+5.5万人)と堅調だったこともあり、英経済に対してはポジティブサプライズと評価されている。まだフォワードガイダンスの失業率7.0%までは遠いものの、金融政策見直しの目安に一歩近づいたことは間違いなく、ポンドに対する買い圧力が強まり易い環境になっている。最近は英経済指標の拡大を示唆する経済指標の発表が相次いでおり、このまま実体経済の回復傾向が着実に続くのであれば、利上げ時期が想定されていたよりも早めに実現されるとの期待感もある。
12日には、カーニーBOE総裁の議会証言が予定されている。ここで緩和圧力を後退させるような発言は想定しづらいが、英経済に対して強気の評価が示されると、年初来高値を更新しているポンド買いに一段と弾みが付く可能性もある。来週はインフレ統計の発表が予定されているが、消費者物価指数(CPI)の伸び率などはほぼ横ばい状態が見込まれており、インフレ環境が再びテーマ化される可能性は低いだろう。住宅価格や小売売上高統計などから、英経済の力強さを確認するステージが続くことになる。
テクニカルでは150.20~150.60円水準の雲を大きくブレイクし、やや過熱感も強い。支持線は155.50円水準。年初来高値を更新したことで、次は160円の節目が試される。サイコロジカルは、前週の7勝5敗から9勝3敗へ。14日RSIは68.44。